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GemとSSLに関するトラブルについて

解説

背景

SSL概要 {:.smaller}

昨今のWebはTCP層とアプリケーション層（HTTP)の間に SSLによるセキュアな通信を挟む形の HTTPSというアクセススキームが使われる
SSLによる接続では一般にクライアントはサーバが発行する証明書の確認を行う
- 正当であることが確認されなかったサーバとは通信を行わない
- 証明書はインターネットの中で信任されたいくつかの発行局から直接または間接的にサーバ（を運営する組織）に預けられ、それがサーバの正当性を保証する証明書となる

現象

例えば以下のような、rubygems のリポジトリと通信を行う gem コマンドを起動すると、

  gem install
      ::  あるいは
  gem update --system

{:.language-command.command-line data-prompt=‘>’} 以下のようなメッセージが表示され、インストール等の作業を行わずに終了する

  ERROR:  Could not find a valid gem 'xxxxx' (>= 0), here is why:
    Unable to download data from https://rubygems.org/ - SSL_connect retur
  ned=1 errno=0 state=SSLv3 read server certificate B: certificate verify failed (https://api.rubygems.org/specs.4.8.gz)

エラーの原因（推測）

httpsでWebにアクセスを行うクライアント（ブラウザやgemコマンドもその１つ）は概して証明書を適切に管理するため、普段はユーザはSSLについて意識せず使っている
Windows版rubyに添付される）rubygemsには、
- gemまたはrubyバージョンアップ時の証明書管理
- サーバ側の証明書の改版への対応のいずれかに何らかの不具合があるらしく、
サーバ側とクライアント側の証明書情報がマッチしない現象が発生し、
そのため通信に失敗している

他の、よくあるエラー（念のため）

学内でアクセスする時は、proxyの設定が必要となる。
proxyの設定不備のときは、長時間（数分のオーダー）の沈黙のあと、「Connection Time Out」などのメッセージを吐いて異常終了することになる。
この問題により外部との通信が開始すらしていない状態の段階では、本ページの解説は該当しない。

対策（の候補）

0 基本

rubyコマンド、gemコマンドのバージョンを知る方法：
```
  ruby -v
  gem -v
```
{:.language-command.command-line data-prompt=‘>’}
以下で言及するバージョン番号は、2016.10月末のものであり、時期の経過によって数字が変化することを承知されたい。

{:.wide}
rubygemsの位置関係を右図を参考に理解しておいて下さい。
- Windows用アプリケーション群を管理するパッケージマネージャが Chocolatey
- ruby(の処理系)もWindowsアプリケーションの１つ。
- RubyGemsはRuby処理系に含まれて配布されている。
- Ruby言語で様々な開発を支援するライブラリ群を管理する、Ruby用パッケージマネージャが、RubyGems

検索語 {:.tiny}

この件については、公式な（rubygems開発元からの）情報は（少なくとも日本語では）見当たらない。
- が、多くのRubyユーザが自サイトで言及していて、幾つかの解決策を提示している
- 諸君の環境でそのうちのどれが適しているか、試してみないとわからない状況である。
- それらのうちの主だったものを次節以降に整理した。
- 関心のある人はぜひ自分でそれらの情報源に当たって見て下さい。
- ただし古い情報は参考にならない可能性もある。
- 「gem SSL 2016」といったワードの組み合わせで検索してみるといいだろう。

rubyのアップデート {:.small}

rubyを最新版にする

最新版は 2.3 (chocoでは2.3.0、rubyオフィシャルサイトでは2.3.1)
Chocolateyパッケージマネージャでインストールしたものならば、右図または下のリストのような Chocolatey（またはそれを略した）コマンドでアップデートできる。
```
  cup ruby -y
```
{:.language-command.command-line data-prompt=‘>’}
- chocoコマンドは、コマンドプロンプトを管理者権限でで開いた上で入力する必要があるかもしれない。
  （一般ユーザ権限で試してみて、ファイルアクセスに関するエラーが出るようなら管理者で試してみるといい）

ruby再インストール {:.smaller}

ruby処理系ごと、再インストール）

基本的には、最初にインストールしたときのガイドに従えばいい。

  cinst ruby -y
  :: 或は既存の版があるためにエラーが出るときは
  :: -f (force = ともかくインストール) オプション
  ::   を付加して
  cinst ruby -yf

{:.language-command.command-line data-prompt=‘>’}

RubyGemsのアップデート

最新版 2.6.7 だと問題ないらしい。
RubyGemsの、通常のアップデートは
```
  gem update --system
```
{:.language-command.command-line data-prompt=‘>’} で行うが、SSLに問題があればこれは動作しない。

httpsを使わず、httpでリポジトリにアクセスするという手がある。

  gem update --system --source http://rubygems.org/
  :: または、
  gem source --add http://rubygems.org/
      :: に加えて、
  gem source --remove https://rubygems.org/
      :: と、事前に設定しておいて
      :: （この２行の設定は保存されるので後でもとに戻す必要がある）
  gem update --system