ネットワークプログラミング

ネットワークプログラミング (Network Programing) 第8回 6/6

正規表現について（補足）

前回使った解説ページ

コマンドプロンプト、コマンド、パラメータ（おさらい）

コマンド、プログラム、といった用語について整理をしておく。

パソコンで我々が使うプログラム（ソフトウェア）は大別すると
1. 自ら窓を開く（多くの場合、窓を閉じると終了する）プログラム：
  
  これを「アプリケーション」と呼ぶ（分類する）人も最近は多いようだ。
2. 窓を開かないプログラム：
- GUI的には積極的にユーザと対話を行わないことが（その結果、短時間で終了することも）多い。ただし、
- 2.1 「タスクトレイ」にアイコンを表示してインタラクションのための待機は行うプログラム、や、バックグラウンドで継続的に実行するタイプのプログラムもあるが、
  
  それについてはここでは詳しくは扱わないことにしておく。
後者（2.）については、コマンドプロンプトの中で起動されて結果が（文字として）その窓に表示される、という使い方がよく行われる。
- （逆に言えば）「コマンドプロンプト」というアプリケーションが、そういったCUI型のプログラムを動作させる土台として働いているとも言える。
- コマンドプロンプトでコマンドを入力すると、そのコマンド名に対応した（CUI型の）プログラムが呼び出されて起動される、ということでもある。

irb とコマンドプロンプト（を例にとって）

コマンドプロンプトの中でirbを呼出すと右図のようにコマンドプロンプトの上に（中に、或いはコマンドプロンプトを覆い隠すような位置関係で） irb が動作し、irbが動作している間は、その窓で打鍵した入力はirbが受け取る。
- irb が終了した時点で、打鍵した文字は再び cmd（コマンドプロンプト）が受け取る状態に戻る。
- CUIを使う時は、今の時点でどのプログラムが最前面にいるか（自分の相手をしているプログラムが何であるか）を意識して使う必要があるだろう。
- それが認識しやすいよう、各プログラムはプロンプトのパターンに工夫をこらしているので、プロンプトを見てそれがどのプログラムからのプロンプトであるかが判別できるようにしておくといい。

コマンドと引数

GUI型のアプリケーションとは違って、CUI型のプログラムの場合、画面（窓）内でボタンやメニュー等のGUI部品を通じたインタラクション（対話）で、プログラムも動作条件を仔細に設定することが難しい。
代わりに、CUI型のプログラム（コマンド）では、事前に（つまり起動時に）「その動作に関する条件付けを行うことが多い。
- そのための指定方法が、「コマンドライン引数（パラメータなどとも呼ぶ）」。
- 英文法（コマンドによるコンピュータの動作指示は英語での指示の仕方を文法的に継承して作られている）に例えると、コマンド名は動詞の命令形に相当し（命令文の最初の単語）、その後ろには目的語・補語などの役割の単語が並ぶ（これが引数に相当する）。
- コマンド名と引数は、英文法と同様に、空白（１つ以上）で区切らて書かれる。
コマンド引数として与えた文字列や数値は、プログラムの中で適切に扱われる。

（別の言い方をすれば）それらを適切に扱うようにプログラムを作る必要がある。
- Ruby では特殊な変数 ARGV（実体は文字列の配列）を通じて、呼び出し元（コマンドプロンプト）から引数を受け取る（その際のプログラムの書き方は前回資料に述べた通り）。

前回課題について

a コロン区切りでポート番号

[smpl/httpGet1.rb] に、第１パラメータとして、proxy:3128 のようなワードが渡された時に、それを host, port の２つの変数に、分離して代入したい。
プログラムの中では ARGV[0] （または ARGV.shiftの値）に対して以下のような処理を行うことになる。
1. ‘:’ を含むかどうか調べ、もし含むならば、
2. その ‘:’ の右側と左側に分割し、２つの変数に代入。（分割の書き方が２つあることは前回示した）
含まないときにどうするか（portはデフォルト値のまま; hostは ARGV[0]の値そのもの; が入っていることになる）、プログラムを書く際のアプローチは２つ。
- if文のelse節に書く。
- 予め初期値を設定しておいてから（elseなしの）if文を呼ぶ。
参考：以下のような式をirbで確認してみる。
```
"abc:80"=~/(.*?)(?::(.*))?$/ and [$1,$2]
"abc"=~/(.*?)(?::(.*))?$/ and [$1,$2]
```
- グループ化のためのカッコ (?: ... ) を使っている（普通にカッコで囲むとキャプチャもされる）
- 最短マッチの限量子 *?　を使っている。これらが正規表現活用のための工夫。

プログラム例：

# -*- coding: utf-8 -*-
require 'socket'
host='www.nagano.ac.jp'
port='http'
case ARGV.shift 
  when /(.*):(.*)/ then host,port=$1,$2
  when /(.+)/ then host=$1
end
resource=ARGV.shift || '/'

TCPSocket.open(host,port) do |s|
   s.puts "GET #{resource} HTTP/1.0" ; s.puts
   puts s.gets(nil)
end

GET ソース(httpGet2.rb)

このプログラムの核心部は HTTP（プロトコル）に従って、GETリクエストを送信している箇所であることも確認されたし。

使用例:

ruby httpGet2
ruby httpGet2 www2.nagano.ac.jp:80
ruby httpGet2 www2.nagano.ac.jp:80 /hiraoka/NP/

b URLでアクセス先指定

「URL 正規表現」で参考になる情報は得られるだろう
- ただし、マッチするだけの正規表現も多い
- 抽出のための（キャプチャを行う）正規表現も考えておこう
以下のような式の、変数s に様々なURL文字列を入れて確認してみる。
```
s=~/(\w+):\/\/([\w.]+)(\/.*)/ and [$1,$2,$3]
```

TCPサーバー

C S という表記についてその位置づけを再確認した（右図）。
- Sがサーバ（待ち受ける側）、Cがクライアント（サービスを利用する側）を意味する。

実際にサーバを作ってみる：

TCPサーバー（別ページ）を参照してください。

今日の宿題

この解説ページを参考に、サーバとクライアントを（同時に）動かしてみて下さい。
- コマンドプロンプトを２つ開く必要あり（右図）。
- ポート番号などはデフォルト値で動作します（コマンドラインパラメータ不要）。
結果を報告ください。

補足改行文字

リクエスト行（レスポンスも）やヘッダの各行は、改行文字で終端される。
ネットワークでの通信では（Windowsのファイルと同様に）改行文字として CR+LFの２文字を使う規定になっていることが多い。
- CR, LFについては、文字コード表の中で確認されたし。
- （文字数を数えたり、プログラムで扱う時に考慮する必要があることがある）
CR+LFは（多くのプログラミング言語に共通の記法として）\r \n と表記される。
- 文字列や正規表現の中では \ + １文字の計２文字で、１つの文字を表現している。
なお、以下のシステムの内部では、改行文字として LF のみの一文字を使っている。
- Unix系OSでの標準的なテキストファイルやプログラム、
- ruby言語（を含む多くのスクリプト言語）での文字列内

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正規表現について（補足）

コマンドプロンプト、コマンド、パラメータ（おさらい）

irb とコマンドプロンプト（を例にとって）

コマンドと引数

前回課題について

a コロン区切りでポート番号

b URLでアクセス先指定

TCPサーバー

今日の宿題

補足 改行文字

補足改行文字